1月31日に「鈴音が行く!」合理的配慮の学習会を、つくば市役所コミュニティ棟で開催しました。
はじめに、茨城県内ではじまっている合理的配慮の助成制度について、当会の生井より報告をしました。
県内では、8市村で合理的配慮の助成制度がはじまっているが、どの自治体も制度の利用件数が少ないのが課題であるとの報告がありました。
次に、聴覚障害があり、今回の「鈴音が行く!」合理的配慮のキャラバン隊で全国を飛び回っている、鈴音さんより、ご自身の経験などのお話がありました。
言語聴覚訓練でティッシュを口元にあてて息の出し方の発声練習を行ったことや、発音がきれいだから聞こえているのだろうと誤解されることがあること、また、困ることとして、無人化による機械操作でインターフォンでの問い合わせができないこと、電車での遅延や緊急時にアナウンスが聞こえないことなど、合理的配慮としては、情報保障(手話通訳、要約筆記)の環境をつくること、呼びかけるときは本人の視界に入るように、マスクなどは外して手や資料で口元を隠さないようにしてほしいとのことでした。
最後に「聞こえなくても、教えてもらえればできる」ことが多くあり、情報保障があればできることが増えるとのお話がありました。
視覚障害のある伊藤薫さんからは、 視覚から得る情報は、情報の80パーセントと言われているため、視覚障害者への合理的配慮のポイントは、情報提供と情報保障となることであるとお話いただきました。生活上不便を感じていることは、郵便物や資料など活字文書の内容を知ること、手続き文書への対応、写真、絵、イラスト、映像の内容を知ることが不便であるとのことでした。また、最近では、セルフレジでの支払い、飲食店でのタブレットなどでの注文やロボットによる配膳、キャッシュレス決済への不安などが増えてきているとのことでした。合理的配慮の提供としては、点字資料の作成、音声や音訳による対応、テキストデータによる情報の提供などが必要とのことでした。実際に、住んでいる市での、行政から視覚障害者への合理的配慮の提供事例や、建物や飲食店での対応などについても、ご紹介いただきました。
鈴音さんと伊藤さんからお話を聞いたあとで、4〜5人のグループになり、今日の感想などを参加者同士で共有し、数グループのみになりましたが、グループででた感想などを発表していただきました。
今回は、50名を超える参加者があり、大盛況で、学習会は終了となりました。
鈴音さん、伊藤さん、大変、貴重なお話をありがとうございました。