2016年6月8日(水)、水戸市福祉ボランティア会館にて、茨城県障害者権利条例の学習会が開催されました。その様子を簡単にご報告します。
まず、茨城県保健福祉部障害福祉課より、昨年度一年間の「茨城県障害者差別相談室」の相談の報告がありました。相談件数は、141件でした。主な相談内容は、作業所で工賃をもらえていないとの相談や、私立高校に入学しようと願書を提出しようとしたが、受付を拒否されたケースなど、福祉、医療、商品・サービス、雇用、教育、交通、など、多岐に渡っていました。「障害のある人もない人も共に歩み幸せに暮らすための茨城県づくり条例」では、今年4月より、第9条2項の特に配慮すべき事項として、各則がはいったので、ますます、相談が増えることが予想されます。
次に、韓国 国家人権委員会調査官のキム・ウォニョンさんより、韓国障害者差別禁止法の相談事例について、事例をつかってお話をいただきました。
紹介していただいた事例は、4つありました。
1) 雇用における差別 2) 試験における正当な便宜
3) 文化芸術における権利 4) 保険加入の拒否
この中で特に僕が興味があったのは、3)文化芸術における権利でした。
これは、韓国の映画館では車いすの人は、最前列にしか、スペースがなく、映画館で車いすの人が映画を見る時には、首をかなり苦しい形にしないと見られないとのことです。これは、差別ではないかとの相談があったとのことでした。韓国では、映画館、劇場などで、車いすのスペースは、防災上の基準があり、その基準にのみ沿ってつくると、車いすのスペースは、最前列になってしまうのである。これは障害のある人とない人で平等な権利が保障されていないとして、国家人権委員会では、改正を勧告したとのことでありました。日本でも、劇場や、野球場など、また、オリンピック・パラリンピックに向けて建設している新国立競技場などでも、同じような問題が起きており、障害者差別解消法もできた現在、改善が期待されています。
今回のキム・ウォニョンさんのお話は、大変わかりやすく、とても勉強になりました。残念ながら、キムさんは、7月末で韓国に帰国されてしまいますが、来日した時には、また、韓国の障害者差別禁止法のお話をしていただく機会をつくりたいと思います。
最後に、今回、通訳・解説として、DPI日本会議 崔栄繁さんにも、お忙しいところ、ご参加いただきました。ありがとうございました。